私たちが知る青く美しいサファイアの中には、大きく星のような光を浮かべるスターサファイアという、より神秘的なサファイアがあります。スターサファイアは多くは採掘されないとても希少な石ということと、その星の煌めきが運命を導いてくれると期待されていることから、サファイア本来の効果よりも強く発揮してくれると言われています。
古くは「導きの石」として、旅人のお守りとされることもあったようです。他、「最も神に近い石」とされ「天空の象徴」でもあることから、聖職者や権力者が身に付ける石として選ばれてきました。現代においてスターサファイアは、どのような場でその効果を発揮してくれるのでしょう。希少性が高いスターサファイアを身近に感じることができた時、どのように接していくとその価値をより高めていけるのかを解説していきます。
スターサファイアの特徴
和名では「星彩青玉(せいさいせいぎょく)」と言われています。スターサファイアは、通常のサファイアに針状のルチルシルクという鉱物が内包(シルクインクルージョン)された物となります。それを丸くドーム状にカットし研磨することで光を受けやすくさせ、ルチルシルクに当たった光の屈折で、神秘的な放射線状の6条の光が浮かんでくるのです。
それをスター効果(アステリズム)といいます。その光は内包物によっては4条や12条となり様々な個体差があります。中には一つの石で2つの6条の光が入ることもあるようです。通常光は白色ですが、タイでは黒の地色で金色の光を放つブラックスターサファイアが発見されました。内包物がルチルシルクではなく、ヘマタイトという違いがあります。
石の加工でスター効果を発揮してくれることを書きましたが、採掘時にスターサファイアを見つける方法としては、平らにした原石に水を一滴たらし光を当てることで水が球状の役目をしてくれるので、スター効果が出ているかスターの位置はどうなっているのかが分かるようになります。
コランダムの中でも赤のみをルビーと定義するので、それ以外の色はすべてサファイアとなります。そのためスター効果が出たルビーも存在します。他色をファンシーサファイアと言い、ピンク、イエロー、グリーン、グレー、無色など様々な色があります。どんな色であっても透明度が高いとスター効果はあまり発揮できなくなるようです。
スターサファイアの産出地と種類、希少性
スターサファイアが多く採掘される地はスリランカ、マダガスカルで、火成岩または変成岩が風化した地質などから採掘されます。
火成岩
タイ、マダガスカル北部、オーストラリアなど。
タイやカンボジアで採掘されるサファイアは、鉄分を多く含むために緑や黄が入ったように感じます。インクブルーと言われるほどに濃く黒みがかった物もあります。
変成岩
スリランカ、ミャンマー、マダガスカルなど。スリランカやマダガスカルで採掘されるサファイアは、淡色で透明度が高いものが多いため、均一的で濃色なサファイアは価値が高くなります。ミャンマー産サファイアはロイヤルブルーと言われるほど濃い青のサファイアになります。
スターサファイアの条件は、サファイアの中にルチルシルクやヘマタイトといった内包物が含まれていることです。その内包物が60度や120度角度で3方向を向きそこに当てた光が反射することで6条の光ができるとされています。内包物の密度がありすぎると地色が黒など暗い色になってしまいます。逆に内包物の量が少なくなると光の屈折がうまくできず、スター効果ができにくいとされています。
このように天然の要素でスター効果は成り立っているのですが、条件項目が多くあることでスターサファイアが産出されるのはやはり確率が低いと言えます。発見するにも困難を要し産出量も減っていますので、天然のスターサファイアを目にする場は減少していくと予想されます。
スターサファイアの天然石と人工物の見分け方
希少性の高い天然のスターサファイアはあまり目にすることができないとされています。そこで市場には合成品や模造品といった人工物も出るようになりました。合成品と模造品を天然石と比べるとどういった違いがあるのかをご紹介します。
合成品
スターサファイアができる環境や条件を人工的に作る拡散加熱処理を施し、自然に近いスターサファイアを作り出したものです。
模造品
ガラスやプラスチックにスターサファイアと似たデザインを施したものです。
天然石と人工石の見分け方
・光が当たっていなくてもスター効果が出ている
・価格が安い
・光の動きがない
人工物である場合、多くは表記に人工物である旨が表記されてあるようです。
スターサファイアの効果と浄化やお手入れの仕方
スターサファイアは、希少性が高く見た目にも強さを感じることから、サファイア本来の効果をさらに強くしてくれること、そしてスターサファイア独自が持つ効果をもたらしてくれると期待されてきました。
古来より6条の光になる3本の線のそれぞれに、運命、信頼、希望という意味があり、「運命の石」とも呼ばれています。邪気を払い幸運や成功を呼び込むとされ、権力者や聖職者がお守りとして身に付けてきました。その青さが天空の象徴であることから、天や神に近い石とし「神の叡智を授ける石」と考えられてきたことで、成功を持続的に得ることや、より上を目指していくなど向上心が高い人物に需要のある石とされてきたようです。
現代においては、その青さから精神を落ち着かせ思考をクリアにしてくれる効果があるとされ、勉学を向上してくれると考えられています。集中力や分析力だけではなく創造性もつくので、変化を必要とする場では重宝する石となってくれるはずです。他、宝石言葉では誠美、貞操であることから、パートナーとの関係をより良くしていき、浮気防止にも効果を発揮してくれると考えられています。
効果を持続させるためには浄化やお手入れも必要不可欠です。硬度が9というダイヤモンドに次ぐ硬さを持っていて熱にも強いので、洗剤は刺激の少ない中性洗剤を使いブラシを使うなどをしても傷はつきません。
シリコンクロスを使って磨くこともおすすめします。熱に強いといえど、変色を防ぐために日の当たる場所に置き続けることは避けるようにしましょう。他、酸に近づけないように気を付けましょう。浄化はホワイトセージ、水晶クラスター、月光浴を推奨されています。
スターサファイアを利用するシーン
アイディアや変化が欲しい時
頭をクリアにし思考力を深めてくれますので、スターサファイアがなければ計り知れない時間を要してた可能性を、有効に利用できるものに変えてくれるかもしれません。自分が求めているものごとが何なのかを明確にしますので後は目標へ向かい行動あるのみです。
1ランク上のステージを目指したい時
努力を惜しまない人は上へ上へと目指していくものです。その足枷となる不要な考えや邪魔になる要素をスターサファイアが払ってくれます。自分を信じることにのみ集中でき、必ず成功へ導いてくれるでしょう。受験や資格取得の際のお守りとすれば強い味方になってくれるはずです。
確かな愛を授かりたい時
時間を共有しあったパートナーとは、いつまでも不安なく添い遂げあっていきたいものです。身に付けると宝石言葉の誠美と貞操の意味が発揮され、パートナーとは永遠の愛の誓いなどなくとも信じあえるようになるでしょう。