翡翠は、古来より人気が高い石で、中国では5徳「仁・義・礼・智・勇」を高めるとされ、金よりも大事にされてきた宝石です。石言葉は、『長寿』『健康』『徳』と繁栄や富の象徴として経営者や教育者など、人々を導く地位の人々にとても人気な天然石となっています。翡翠の、意味、効果、産地、性質と成分、加工・処理方法、種類、石言葉についてご紹介します。
翡翠とは?
名称 | ヒスイ(翡翠) |
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和名 通称 | 翡翠 |
英語表記 名称 | jade |
フォールスネーム(false name) | インド翡翠、オーストラリア翡翠、トランスパール翡翠、アマゾン翡翠、オレンジ・ジェイド |
石言葉 | 『長寿』『健康』『徳』 |
チャクラアライメント | アナハータ(第4チャクラ) |
名前の由来と神話 | 名前はカワセミ由来し、美しく上品な緑色という意味です。霊力の高い「魔法の石」として世界各地で崇められていました。 |
効果 | 精神の落ち着き、冷静さの維持、無病息災、忍耐力の向上、成功と繁栄。 |
意味 | 美しく上品な緑色のこと。 |
原石 | 「硬玉(ヒスイ輝石)」、「軟玉(ネフライト)」どちらも翡翠に分類される。 |
誕生石 | 5月 |
お値段 相場 | 原石は50g¥4000前後~。産地・色合いなどにより価格は大きくなり、高級なものからS,A,B,Cなどとランク分けされています。 |
アイテム | 指輪、ネックレス、ブレスレット、置石 |
色、カラー | 薄緑色、 |
原産地 | ミャンマー、グアテマラ、アメリカ、中国、日本(新潟県)、ロシア、カザフスタンなど |
成分 | 硬石:NaAISi2O6、軟石:Ca25Si8O22 |
結晶系 | 単斜晶系 |
モース硬度 | 硬石:6.5-7、軟石:6-6.5 |
比重 | 硬石:3.25-3.35、軟石:2.9-3.1 |
色 | 硬石:白、淡紫、軟石:葉緑、暗緑 |
類似石 | カルセドニー・クリソプレーズ |
翡翠とは、魔力が宿る崇高な石
翡翠は、魔力が宿る石として古くから世界の様々な国や地域で崇められてきました。一説によると日本で最古に発見された石とされており、約5000年前の縄文時代中期の遺跡から多く見つかっています。日本になじみの深い石と言えるでしょう。
古来、中国では宗教的な儀式にも用いられたり、富と権力のある貴族などの装飾品にも使用されていたため、「東洋の魔法の石」とも呼ばれたりもします。また、ネイティブアメリカンは、翡翠に彫刻をほどこし災いから身を守るためにお守りとして使用していました。
翡翠は2つに分けられる
翡翠は、「硬玉(ジェダイト)」と「軟玉(ネフライト)」の2つに分類されます。主に宝石などとして使用されているのは硬玉の方で、翡翠特有の鮮やかな緑色が美しく人気が高い石でもあります。
翡翠の意味や効果
翡翠の元々の意味は、カワセミを表す言葉でしたが、時代の変化とともに石自体が翡翠と呼ばれるようになりました。石特有の美しい緑色が、カワセミの羽の色に例えられ、翡翠と呼ばれるようになりました。
翡翠は、平和と調和、繁栄をもたらす石とされています。主に人との関係を平和に給ったり、物事を順調に進めるという効果があります。また、感情の整理、精神力強化、魔除けなどの効果もあります。
翡翠(ひすい)の色
翡翠の緑色の石で、大きく分けて2つの系統があり、鮮やかな深緑色と落ち着いた薄めの緑色があります。
本来、翡翠は無色の石
本来、純粋な硬玉(ジェダイト)というのは無色なのですが、翡翠は細かい結晶の集まりなので目で見ると白色に見えます。日本国内では濃い深緑色のものが高く値段をつけられる傾向があります。逆に東南アジアなどの日本以外の国では、色の薄いものが好まれる傾向があります。国ごと色の違いで人気が変わってきますが、琅玕(ロウカン)クラスの翡翠はどこの国においても高価な値段をつけられます。
琅玕(ロウカン)の翡翠はとてもキレイ
琅玕とは、暗緑色または青碧色の半透明の硬玉のことを言います。品質の良い翡翠は、見た目にまろやかさがあり、光沢のある独特な透明感が特徴です。見た目から見ても非常に高級感が溢れ出ているのを感じることができます。
実は緑だけじゃない!色は15色もある
翡翠は緑色の石という印象がありますが、実は緑色以外にもあるのをご存知でしょうか?ピンク、薄紫、半透明、白、青、黒、黄、橙、赤橙といった様々な色があります。ざっと15色ほどあると言われています。日本で産出されるものはチタンが含まれるので少し青みを帯びて見え、ミャンマーで産出された翡翠は鉄の影響で紅紫が強く見えます。
その他の色は、資産価値が低いとみなされることもあり、市場に出回ることが少ないです。
産地・産出地
翡翠は、パワーストーンの世界ではよく見る石ですが、産出地は限られています。翡翠の産出地で有名なのはミャンマーですが、実は日本でも数か所のところで採れます。日本国内で有名なのは新潟県です。国や地域によって、硬玉か軟玉のどちらかで分かれます。
両方採れる国は少ないです。(中国のホータンなどは軟玉のみ)
硬玉の主な産地
ミャンマー
日本
グアテマラ
アメリカ
ロシア
カザフスタン
軟玉の産地
中国
ニュージーランド
アメリカ
中国では、軟玉のみの産出で、新疆ウイグル自治区のホータンという地域が主です。
翡翠(硬玉)は、日本各地で産出されている国石
日本で採れる翡翠はどちらかというと硬玉が多いです。日本で採集できる場所は8県あり、新潟県、富山県、兵庫県、鳥取県、静岡県、群馬県、岡山県、熊本県です。パワーポットで有名な新潟のヒスイ海岸から採られる翡翠は国内でも有名です。今では、日本の翡翠(ひすい)は縄文時代の中期から産出があったのがわかっています。
そんな翡翠ですが、実は奈良時代から一時姿を消したことがあります。しばらく歴史から姿を消し、長い年月が経った1938年ごろに偶然にも翡翠の原石が新潟で発見されます。しかし、国内で原石を発見したことにより、外国製だと思われていた日本古代の翡翠は国内産だと証明されたのです。日本の翡翠文化は、国内のものという事が再認識され、日本の国石にもなりました。
性質と成分
性質と成分
硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)この2つは、化学的、鉱物学的にも異なる石です。同じ翡翠でも、異なる物質とされるのは、不思議ですね。
宝石の成分
ヒスイ輝石が全体の50%以上含まれるものが、宝石として扱われます。全体の50%以下のものは、資産価値が低く、市場ではあまり扱われていません。全体的にも見ることは少ないでしょう。
翡翠の性質
硬玉も軟玉ともに、その他の鉱物の中でも強い靭性(耐久性)があり、もっとも割れにくい石とされています。靭性とは、衝撃に耐える力の強さのことです。最も割れにくい石はダイヤモンドが有名ですが、ダイヤモンドの場合、ある特定の方向から衝撃を与えると割れてしまう弱点があります。
しかし、翡翠には弱点となる方向がなく、あらゆる方向からの衝撃に耐えることができるのです。靭性に関して翡翠は、ダイヤモンドよりも強いとされています。翡翠は、内部で針状、繊維状の小さな結晶が複雑に絡み合った構造なので衝撃に弱い方向が存在しません。しかし、翡翠は硬度が低いので、キズやひびなどが付きやすく取り扱いに気をつける必要があります。
加工・処理方法
宝石として出回っている翡翠には、様々な加工が施され、ほとんどの石は人の手が加わったものです。宝石として販売されてる翡翠には無処理のものは全くないでしょう。
エンハンスメント
エンハンスメントは、表面上の光沢をだしたり、透明感を増す目的で行われます。無色のワックスなどを使い研磨処理が行われます。
これにより、宝石の表面上のツヤや輝きが高まり、透明感のあるきれいな翡翠が出来上がります。この処理方法は、天然の翡翠にも起こりうる現象をワックス処理などを使い似せているのですが、「処理石と見なさない」とされます。
トリートメント
トリートメントは「外観の変化」と「透明度を改良」する目的で行われ、含浸(がんしん)と染色(せんしょく)の2つの方法があります。この2つは、天然の翡翠には見られない人工的な処理を行う方法です。エンハンスメントに対して処理を行った石としてみなされます。含浸の場合、翡翠に含まれている不純物を取りだすために、酢酸などにつけたものを煮出します。
煮だし不純物を取り出したのち、「エポキシ系の樹脂」に浸すことで表面をきれいに整えていきます。染色の場合は、言葉の通り色を染めることでもともと白色である翡翠に着色処理をしていくものです。翡翠は、色をよく吸収する性質があるので、簡単に色を付けていくことができるのです。
種類
翡翠の種類は、硬玉(ジェイダイト)、軟玉(ネフライト)の2種類です。その他には、チタンなどが混じったラベンダー色の翡翠などもありますが、基本的にはこの2種類です。硬玉は、ヒスイ輝石岩からなるもので、軟玉は透閃石岩、透緑閃石岩などからなります。現代では、硬玉の方が価値が高く、硬玉をそのものを翡翠と呼ぶようになりました。
今では、硬玉、軟玉で種類分けされていない。
硬玉、軟玉という名称のは考古学者などが鉱物として分類する時に使われる名称で今ではあまり呼ばれていません。分類せずに硬玉の方を翡翠と見なし、翡翠(ヒスイ)、本翡翠などとまとめて呼ぶのが主流です。また、翡翠にもクラスや等級があります。この等級には3つありますが、その3つの等級ごとに翡翠は分かれます。
翡翠の等級やクラス
処理の仕方や産地の違いにより細かく異なりますが、一般的には、A貨、B貨、C貨と3つに区分されます。A貨というのは、最低限の加工、研磨でその他の処理がなされていない天然に近いものです。B貨は、含浸などの処理がされたもので、C貨は、白い翡翠に染色が施されたものです。
A貨クラスの翡翠は、本翡翠とも呼ばれ、先ほど述べた表面へのトリートメント処理がなされたものです。光沢を出すための最低限のワックス処理が行われていますが、石の純度も高く市場では高値で取引されます。
石言葉
翡翠の石言葉は「安定」「平和」「忍耐」「繁栄」です。その他にも翡翠には、多くの意味を持つ石言葉があります。古くから、特別な力が宿るとされており、魔法の石と崇めれてきました。宗教的な儀式にも用いられ「無病息災」や「魔を遠ざける」とも言われています。
中国では「5徳」の象徴
中国では、仁、義、礼、智、信、の5徳を高めると思われ、非常に重宝されてきたので「徳」や「繁栄」の意味があります。精神の安定を保ったり、心や身の回りの平穏、体の健康、長寿 挑戦したことの成功、飛躍などを助けてくれる力強い石とされてきました。
英名ジェダイトの語源はスペイン語から
また、英名ではjade(ジェイド、ジェダイト)と言いますが。これは、もともとスペイン語の側面にある石という意味である「piedra de ijada」がフランス語の「l’ejade」として変化し、「jade(ジェイド)」となりました。これは、病気になった時に、体の側面を石でこすることで腎臓の病気が治ると信じられていたからです。
メソアメリカでは、発掘した翡翠の原石現地の先住民たちが削り、魔除けのお守りとして用いられてきました。このように古くから翡翠は、世界各地で特別な力がある高貴な石とされ、人々の霊性を高める特別な力がある信じられてきました。そのほか、翡翠は5月の誕生石でもあります。5月生まれに是非ともおすすめしたい石でもあります。